第337章 もう行けない

そう思うと、園田円香は携帯を握る手が震え始め、指が震えすぎて何度も通話ボタンを押すことができなかった。

染野早紀は彼女の青ざめた顔色を見て、手を伸ばして画面をタップし、スピーカーフォンをオンにした。

田中の泣き声混じりの声が聞こえてきた。「円香、おばあさまの手術が終わりました。」

その声色を聞いただけで、園田円香の心は大きな手で強く握りしめられたかのように、息苦しくなった。

唾を二度飲み込んでから、やっと声を絞り出した。「ど、どうなりましたか？」

彼女はいつも、このような場面に直面しているようだった。

そして、彼女はこのような場面が本当に嫌いだった。

「救急処置は早かったものの、おばあさまの状態はまだ非常に悪く、危険期を脱していません。これからの24時間が重要です。状態が良くなれば目覚める可能性がありますが、もし...悪くなれば、後の...準備をしなければなりません。」

最後の言葉を、田中はほとんど言えず、声を詰まらせた。

園田円香の目も、赤くなってきた。

実は毒薬を見た時から、良くない予感がしていたが、実際に結果を聞くと、やはり耐えられなかった。

江川お爺さんと江川おばあさんは彼女をとても可愛がってくれた。当時、江川お爺さんが病気で亡くなった時も、彼女は非常に悲しみ、長い間泣き続けた。

そして今、江川おばあさんまで...

染野早紀は江川おばあさんとそれほど親しくはなかったが、円香に対する真心から、自然と江川おばあさんにも好感を持っていた。

彼女の心も痛んでいた。

特に、江川おばあさんがこうなったのは安藤吉実という毒婦のせいだったから！

田中は少し泣いた後、突然何かを思い出したように気を取り直し、哀願するような口調で言った。「円香、今夜、おばあさまの側にいてあげられませんか？医師が言うには、救急処置の間、おばあさまはずっとあなたの名前を呼んでいたそうです。それに、生きようとする意識が強いので、あなたが来て話しかければ、目を覚ましてくれるかもしれません！」

江川おばあさん...ずっと彼女の名前を呼んでいた...

園田円香は思わず下唇を噛んだ。

この数年間、江川おばあさんの病状は悪化の一途をたどっていたが、それは彼女にも責任があった。彼女はずっと、おばあさんを死なせてしまった一因だと感じ、その心の結び目がほどけなかったのだ。