第336章 これは命を縮める薬だ!

染野早紀は思わず驚いて、「どこに行くの?」と尋ねた。

園田円香は前を見つめながら、断固として二文字を言い放った。「別荘」

それって……彼女が江口侑樹と結婚した後に住んでいた場所ではないか?

彼女はそこで何をするつもりだろう?

染野早紀は疑問が山積みだったが、唇を動かしかけて結局我慢して聞かずに、車を発進させ、別荘の方向へと向かった。

別荘の入り口に到着すると、駐車スペースを見つけて車を停め、二人は車を降りて別荘へと歩いていった。

別荘の玄関は暗証番号式の鍵で、園田円香は既に田中に確認済みで、暗証番号は変わっていないため、番号を入力してドアを開けた。

園田円香は目的がはっきりしていて、家に入るとすぐに江川おばあさんの寝室へと向かった。中は依然として散らかり放題で、床や布団の上には既に乾いた血痕が多く残っており、非常に衝撃的な光景だった。

園田円香の心は締め付けられた。

染野早紀もそれを見て、眉間にしわを寄せた。

どうやら江川おばあさんの状態は、本当に深刻なようだ。この危機を乗り越えられるかどうかもわからない……

園田円香は深く息を吸い、心を落ち着かせてから、再び足を上げ、散らかったものを跨いでベッドサイドテーブルの傍に行き、目を伏せて、その上に散らばっている様々な薬を見た。

彼女は手を伸ばし、一つ一つを手に取って、注意深く見て、匂いを嗅いだ。

その様子を見て、染野早紀は園田円香の意図を察した。彼女は江川おばあさんの病気に不審な点があると疑い、薬を調べるために別荘に来たのだ。

染野早紀はこういったことには詳しくないので、静かに傍らで園田円香の邪魔をしないようにしていた。

園田円香が三つ目の薬を手に取った時、表情は既に深刻になっていた。そして四つ目の薬、つまり田中が言及した特効薬を手に取った時、彼女の表情は一変した。

「円香、どうしたの?」染野早紀も近寄ってきた。

園田円香はその薬を握りしめ、指先が少し震え、声も震えながら言った。「これは命を救う薬なんかじゃない、命を奪う薬よ!」

三つ目の薬は、おそらく量が少なかったため、自分が敏感すぎるのではないかと確信が持てなかったが、この四つ目の薬は、間違いなく毒薬だった!

身体に甚大な害を及ぼし、一定量に達すれば即死に至る可能性もある!