第349章 まだ未練があるの?

園田円香は江川おばあさんを支えながら、慎重に車に乗せた。彼女は身を屈めて、後に続いて車内に入った。

田中が助手席に座ると、運転席の警備員に向かって「発車して!」と言った。

警備員は応答し、エンジンを始動させ、車は素早く走り去った。

江川おばあさんの顔色は一層悪くなり、全身の力が抜けたかのように、椅子の背もたれに寄りかかって、苦しそうに息をしていた。

園田円香は目に涙を浮かべ、深い罪悪感を抱きながら彼女の手を握り、かすれた声で「おばあさん、ごめんなさい」と言った。

こんな虚弱な体で自分を助けに来させてしまって。

江川おばあさんは固くなった目を動かし、園田円香の顔に視線を向けた。目には涙が浮かんでいた。彼女は懸命に手を上げ、優しく円香の頬を撫でた。

この三年間、夢の中で円香に会いたいと思い続けていたが、一度も現れなかった。円香が自分を恨んで、会いに来てくれないのかと思っていた。

彼女の人生で、間違いを犯すことは少なかったが、江口侑樹と園田円香を引き合わせたことは、最大の過ちであり、最も後悔していることだった!

今、円香に会えて、彼女が確かに生きているのを目の前で見られて、とても安心し、嬉しく思い、そして finally...心の中の罪の意識を手放すことができた。

目覚めたのが時宜を得て、間に合って来られたことを、とても幸運に思った。

江川おばあさんは喉が詰まって話せず、ただ園田円香の手を握り返すことで、自分の気持ちを表した。

前の席の田中もそれを見て、黙って涙を流した。

病院に到着すると、医師と看護師がすでにベッドを押して入り口で待っていた。江川おばあさんがベッドに寝かされ、中へ運ばれていった。

一通りの検査の後、医師は江川おばあさんに点滴を打ち、薬を飲ませ、彼女の状態が落ち着いてから病室を出た。

江川おばあさんは少し目を開け、この時には少し力が戻っていたので、傍らで見守っていた園田円香に「円香、こっちに来て、おばあさんとお話ししましょう」と言った。

園田円香は鼻をすすり、目尻の涙を拭い、歩いてベッドの横に座った。

田中はその様子を見て、二人に空間を与えるため、病室を出て行った。

江川おばあさんは真剣に園田円香を見つめ、しばらくしてから、かすれた声で「子供や、辛い思いをさせてしまったね」と言った。