第367話 手がかりを見つけた

しかし、休憩室の中の様子は、彼女の予想外のものだった。

彼女は何か見るに堪えない絡み合いのシーンを目にするかと思ったが……江口侑樹はベッドではなく、長椅子に横たわっていた。

上着は脱ぎ、ネクタイも緩め、シャツのボタンも一、二個外され、全身がリラックスした状態だった。

しかし、彼は目を固く閉じ、表情は少し歪み、苦痛の色を浮かべていた。

彼のこめかみの両側には、細長い銀針が二本刺さっており、頭部にも数本の針が、異なるツボに分布して刺されていた。

安藤吉実は傍らに座り、黒い瞳で江口侑樹を見つめ、口が開いたり閉じたりしながら彼の耳元で何かを唱えていたが、声が小さすぎて聞き取れなかった。

これは……一体何をしているの?

園田円香は、前回江口侑樹が彼女の首を絞めた時に、突然頭痛を起こした時のことを思い出した。あの時も彼は今のように、とても苦しそうな表情をしていた。

だから今、江口侑樹はまた発作を起こしたの?

頭にあれだけ多くの針を刺されているのは、安藤吉実が刺したの?鍼灸で頭痛を治療しているの?

この方法は、確かに漢方医学にはあるけど……安藤吉実はいつから鍼灸もできるようになったの?江口侑樹のために特別に学んだの?それとも何か別の事情があるの?

なぜか……妙な感じがする。

何となく、事態はそう単純ではないような気がする。

それに、彼女は一体何を唱えているの?

鍼灸なら、治療しながら呪文のようなものを唱える必要はないはずでしょう?

彼女は無意識のうちに前に寄り、何を言っているのか聞こうとした。

園田円香は動作を極力抑えていたし、音も立てていなかったのに、数歩進んだだけで、安藤吉実は何かを察知したかのように、突然振り向いて外を見た。

そして冷たい声で問いかけた。「誰かいるの?」

園田円香の心臓が一瞬止まりそうになった。

この安藤吉実はいつからこんなに警戒心が強くなったの?それとも背中に目でもあるの?

幸い彼女の反応の方が早く、即座に身を翻し、そっと、しかし素早く社長室から逃げ出した。

後を追ってくる足音が聞こえ、彼女は身を屈め、暗闇の中でオフィスの机の下を通り抜け、自分のオフィスまで戻った。

幸いにもこの数日間で地形を把握していたので、かなり手慣れたものだった。