第368章 検証

林田茜……

園田円香は布団を抱きながら起き上がり、3年前の林田茜との関わりについて細かく思い返してみた。

最初、林田茜はかなり普通だった。ただの横柄な御嬢様で、彼女が仕掛けてきた手段も、単純な嘲笑や陥れるようなものだった。

しかし、その度に彼女は反撃され、ほとんど優位に立つことはなかった。

最後には若林麗の復讐により、林田氏夫妻の関係は崩壊し、二人は決裂。林田茜は林田お母さんと共に家を追い出され、それ以来高貴な令嬢ではなくなった。

その期間、彼女は林田茜をほとんど見かけなかった。再会したのはバーの中で、林田茜に襲われた時だった。その時、彼女の様子は明らかにおかしく、異常な力を持ち、狂乱状態だった。

ただ、その時は江口侑樹が彼女のために怪我をしたため、彼女の心は全て江口侑樹に向いていて、林田茜の状況について考えることはなかった。

彼女が逮捕され、報いを受けた後は、さらに関心を持つことはなかった。

安藤吉実との争いが激化するまで、林田茜は突然脱獄し、彼女を人質に取り、心中しようとした。

彼女を人質に取った時の状態は、最初に襲ってきた時とほぼ同じで、狂乱状態という異常な状態だった。

その時、疑問に思わなかったわけではないが、残念ながら当時は江口侑樹との対立があり、江口侑樹の行動と言葉に心を深く傷つけられ、混乱していたため、注意が散漫になっていた。

結局、林田茜のことを本当に考えることはなかった。そもそも彼女は林田茜を重要人物だとは思っていなかったのだから。

しかし今こうして振り返ってみると、重要な情報を見落としていたように思える。

まず、林田茜が最初に狂乱状態で襲ってきたタイミングが非常に微妙だった。

確か、江口侑樹と霧島旅行から帰ってきた後、つまり……空港で安藤吉実に出会った後だった。

言い換えれば、安藤吉実が彼女の生活に現れ始めた時から、林田茜の状態が変化したということだ。

以前なら何も連想しなかったかもしれないが、今となっては、これら全てが偶然とは思えない。

正面から安藤吉実の情報を調べても何も分からないなら、このように側面から調べれば、きっと多くの驚きが待っているだろう。

園田円香は目を細め、手をゆっくりと握り締めた。

翌日。