第370章 人として相応しくない!

彼女は急いでリモコンを掴み、進行バーを早戻しして一つのシーンで止め、画面を拡大した。

その時の画面では、安藤吉実が林田茜を見つめており、その眼差しには言い表せない不気味さがあった。

園田円香は彼女の言葉を聞き取った。「私を見て、私の目を見て、私を見なさい!」

安藤吉実の目と視線が合うと、それまでの激しく荒々しい感情が徐々に落ち着いていき、林田茜の目つきさえも虚ろになっていった。

その後、安藤吉実はさらに言葉を続けた。「そうそう、あなた最近体調を崩していたでしょう?自分の体に気をつけて、ちゃんと薬を飲んで、自分のことを大切にしてね。私を心配させないでね、わかった?」

林田茜は素直に頷いて答えた。「はい。」

園田円香は眉間にしわを寄せ、じっくりと考えた。

安藤吉実と対峙してきた経験から、彼女なりに安藤吉実のことは理解していた。林田茜のような単純で横暴なお嬢様と比べれば、はるかに賢かった。

最初に仕掛けた様々な罠も、慎重に対処していなければ、とっくに引っかかっていただろう。

しかし、彼女も無敵ではなく、反撃した時には、彼女をボロボロにすることもできた。

だが、このような一面の安藤吉実は見たことがなく、実に...意外だった。

しかし、彼女は素人だ。ある程度の推測はできても、安藤吉実が何をしているのかは専門家に判断してもらう必要があった。

おそらく、これが彼女が探していた答えなのだろう。

園田円香は携帯を手に取り、出雲先生に電話をかけた。相手が電話に出るとすぐに、彼女は単刀直入に言った。「出雲先生、今時間ありますか?一緒にコーヒーでも飲みませんか。」

ちょうど出雲先生は今日が休みだったので、園田円香は彼の家の近くのカフェで待ち合わせることにした。

電話を切った後、園田円香は車のキーを掴んで外出した。

彼女がカフェに着いた時、出雲先生はすでに窓際の席で待っていた。彼女は笑顔で近づいていった。

席に着くと、まず申し訳なさそうに言った。「出雲先生、申し訳ありません。お休みの時間を邪魔してしまって。」

出雲先生は微笑みを返し、冗談めかして言った。「園田キャスター、あなただからこそですよ。」

園田円香は時間を無駄にせず、すぐに携帯を取り出し、その録画を開いて問題のシーンまで進め、出雲先生に見せた。