パーティーはクライマックスを迎え、今回は芸能界の有名な司会者を招いて司会を務めてもらい、彼は笑顔で今年の江川グループの功績を語り、そして「次に、江川社長と奥様にステージでご挨拶をお願いしたいと思います」と述べた。
全員の視線が江口侑樹と園田円香に集中した。
江口侑樹は口元を緩め、紳士的に園田円香に手を差し出し、招待のジェスチャーをした。
園田円香は幸せそうな笑顔を返し、男性の大きな手の中に自分の手を置いた。
江口侑樹は彼女の手を取り、共にステージに上がり、階段を上る際には、気遣い深く彼女の長いドレスの裾を持ち上げた。
女性社員たちは一様に胸をときめかせた。
リリアンはそれを見て、思わず自分の夫の胸に身を寄せた。
安藤吉実だけが、妬ましさで表情を保つのも困難なほどだった。
侑樹が皆に見せるためにしているとわかっていても、彼女は妬ましかった。侑樹が園田円香の手を取ることも、彼女のためにドレスの裾を持ち上げることも、そしてさらに妬ましいことに、これほど長い時間が経っても、園田円香が堂々と侑樹の側に立っていられることだった。
そして彼女は今でも、人前に出られず、表舞台に立てないのだ!
しかし...今こそが彼女が行動を起こすのに最適なタイミングだった!
安藤吉実は目を伏せ、携帯を取り出し、素早くメッセージを打って送信した:【始めて!】
ステージ上では、スポットライトが江口侑樹と園田円香に当てられ、二人が手を取り合って立っている様子は、まるでドラマのようなシーンだった。
江口侑樹は黒い瞳で参加者全員を見渡した後、薄い唇を開いて「ご来場の皆様、まず初めに江川グループの年次パーティーにお越しいただき、ありがとうございます。この一年...」
今年達成した重要な業績について話し終えると、会場から大きな拍手が沸き起こった。
江口侑樹は微笑んで、さらに「来年、江川グループは新しいSクラスプロジェクトを開始します。ここで皆様にその核心部分をご紹介させていただきます...」と続けた。
背後の大スクリーンが明るくなった。
全員の視線が大スクリーンに向けられ、江川グループの将来の壮大な計画を期待して待っていた。
しかし誰も予想していなかったことに、大スクリーンに映し出された写真は...何らかのプロジェクト計画ではなく...江川夫人の写真だった。