第58章:試し栽培(1更)PK応援クリック求む

鈴木のお母さんのために野菜の準備を手伝った後、花和は空間に行って種を蒔いてみたいという気持ちが急に湧いてきた。

しかし、花和は眉をひそめた。空間の土地は雑草だらけだった。

「鍬とスコップを持って入るべきかな?」花和は考えた。「でも、それは目立ちすぎないかな。家の中でも、鍬やスコップを持って部屋に入るのは、ちょっと変じゃないかな?」

空間のことについては、今のところ家族には話すつもりはなかった。結局、それが吉と出るか凶と出るかまだわからないし、知る人が増えれば増えるほど危険も増すからだ。

そのため、自分の家でこそこそと行動するのは、確かに少し怪しく見えるだろう。

「もういいや」花和は少し考えた後、「とりあえず鍬を持って入ってみよう!」

そう決めると、鈴木のお母さんに見られないように鍬を持って自分の部屋に入った。

部屋に入るとすぐにドアに鍵をかけた。家族が突然入ってきて、彼女が突然消えたり現れたりする状況を見られないようにするためだ。

鍬を持って空間に入った。

空間の十八区画の土地を見て、花和は眉間にしわを寄せ、独り言を言った。「雑草が多すぎる。一人じゃ無理だし、農機具もないし、どうやって除草すればいいの?この雑草が自然に消えてくれればいいのに!」

その言葉を言い終わるや否や、奇跡が起こった。

十八区画の土地の雑草が全て消えた。

花和は目を輝かせ、驚きと喜びで我を忘れそうになった。

「これは一体どういうこと?」花和は困惑した。「もしかして、この空間は私の意識で制御できるの?」

自分の推測を確かめるため、花和は小さな袋に入った茄子の種を取り出し、手のひらに置いて言った。「茄子の種を蒔け!」

変化は一瞬のうちに起こった。

瞬く間に、花和の手の中の茄子の種は消えていた。

そして、彼女の足元の土地の十分の一が、自動的に三、四メートルの長さと一メートルの幅の小さな区画に分けられ、それぞれの区画には小さな溝ができていた。

これらの小さな区画には、先ほど花和が手に持っていた茄子の種が蒔かれていた。

花和は思わず叫んだ。「すげえ!これは凄すぎる。」

これなら、この広い土地を一人で耕すことを心配する必要はなくなった。

これらを植えるのは、ただ思い描くだけでよかったのだ。

経験を積んだ花和は、すぐに他の種も取り出した。