第84章：林おばさんの物語1　PK中で投票をお願い

白菜一つを炒めただけなのに、甘くてシャキシャキとした食感で、とても美味しかった。以前食べていた白菜は本当に白菜だったのかと、彼女は再び深刻な疑問を抱いた。この味は全く違うのだから。

「お母さん、何を作ったの？すごくいい匂いがするわ」林おばさんの中学生の娘が放課後、食卓に顔を寄せ、鼻をくんくんさせ、目を細めて言った。「お母さん、今日のおかずすごくいい匂い。これ、卵とトマトでしょう？」

林おばさんは答えた。「そうよ、卵とトマトよ」

「へぇ！」娘は頷いて言った。「ただ、香りがすごくいいから、ちょっと不思議に思っただけ」

「さあ、食べましょう！」林おばさんは言った。

娘は周りを見回して尋ねた。「お母さん、お父さんは？」

林おばさんは一瞬気分が悪くなったが、表には出さなかった。

「お父さんは会社で用事があって、帰って来られないの。私たちで先に食べましょう」林おばさんは笑顔で言った。

心の中では、「林輝彦のあのろくでなしは、きっとあの狐女と一緒に食事をしているんだわ」と思った。

そう考えると、彼女は深い悲しみを感じた。

彼女と林輝彦は成田大学時代から付き合い、卒業後すぐに結婚した。

当時彼は、一人息子だから両親の側にいなければならないと言い、そのため彼女はすべてを捨て、この田舎の小さな町についてきた。

二人で力を合わせ、小さなアパレルショップから始めて、今では安則郡の有名企業になるまで、二十年以上の歳月が流れた。

会社がある程度の規模になった時、彼は彼女に専業主婦として両親の世話と子育てに専念してほしいと言い、会社のことは自分に任せてほしいと言った。

しかし、彼女が家で両親の世話と子育てをしている間に、彼の心は変わってしまった。他の男たちと同じように、お金を持つと悪くなり、外で三郎を作り始めた。

最初に発覚した時、彼は深く後悔し、跪いて許しを乞い、二度と同じ過ちを犯さないと約束した。

しかし、それほど時間が経たないうちに、また一度捕まえられ、子供のために許してほしいと懇願した。

一度や二度ならまだしも三度目となると、彼にはもはや後悔の念すら感じられなかった。

むしろ、外で女性を囲うことは成功した男の証だと思うようになった。

彼女が離婚を主張すると、彼は、離婚するなら一文無しで出て行け、子供も連れて行かせないと言い放った。