第117章:この時代はどうしたの?(2更)

鈴木花和は弟にトマトときゅうりを届けた後、自分の住まいに戻った。

ベッドに寄りかかって休んでいると、心の中に恐れと不安が湧き上がってきた。

あのビデオのおかげで潔白が証明されたことに感謝すべきだった。

彼女が全力で走った区間の監視カメラが壊れていたことに感謝した。そうでなければ、あんなに速く走れることをどう説明すればよかったのかわからない。

また、この時期は自撮り意識が強くなかったことにも感謝すべきだった。そうでなければ、あの走る速さは必ずネット上で物議を醸したはずで、そうなれば自分と家族に大きな問題を引き起こすことになっただろう。

鈴木花和は今、人身売買グループの逮捕時に、人身売買犯から子供を奪い取って即座に逃げ出したときのことを思い出した。今になって気づいたが、あの時の速さは速すぎたかもしれない。