第153章:決断を下さねば、混乱を招く!(2番目)

田中隆とこれらのお年寄りたちが野菜を多く買うか少なく買うかで議論している時、河野並木が急いでやってきた。

河野並木は空から降ってきたような存在だったが、田中食堂に座っている数人のお年寄りは、安則郡でも身分と地位のある人物で、河野並木は当然彼らを知っており親しかった。そして数人のお年寄りも河野並木のことを知っていた。

河野並木という人物は性格が冷たく、仕事では冷静で理性的で、どの事件に対しても非常に真剣で、一つ一つの手がかりを解きほぐし、次々と事件を解決していった。仕事において人情と法に関わることには、冷酷無情で公平無私であり、安則郡の表と裏の人々から「鉄面の閻魔大王」と呼ばれていた。

これらのお年寄りは河野並木の処事原則をかなり評価していた。

「おや、河野局長が来たのか?」遠藤勇治は笑いながら言った。

河野並木は無表情で応えた。「遠藤おじさん、野村おじさん、木野おじさん、山本おじさん!」

河野並木は一同を呼び掛けた。

他のお年寄りたちは嬉しそうに応えた。「河野局長、仕事帰りかい?」

「ええ」河野並木は応え、その後鈴木花和の向かいに座り、花和に笑顔で言った。「すみません、花和、遅くなりました」

鈴木花和は微笑んで言った。「あなたは仕事がある人だから、忙しいのは理解できます。私のような無職の者とは違いますから」

そう言いながら、鈴木花和は河野並木にお茶を注いだ。

これらのお年寄りは河野並木が田中隆の話していた女の子とこれほど親しいことに、少し驚いた。

彼らが驚いたのは、もちろん二人が知り合いだということではなく、河野並木の表情が、冷酷無情から少し柔和に変わり、まるで春の生気が見えるようだったからだ。

彼らは河野並木がどの女の子にもこれほど優しく接するのを見たことがなかった。

今それを目にして、表情には驚きが隠せなかった。

金田国安は好奇心から尋ねた。「河野局長、この娘さんはお付き合いしているんですか?」

しかし河野並木は首を振って言った。「いいえ。ただの友人です」

彼は今鈴木花和を追いかけたいと思っているが、その勇気が出せないでいた。

普段は同僚に対して厳しく、犯人に対しては鉄面無情だが、本当に好きな人に出会うと、完全な臆病者になってしまう。