第198章:村を導く(3更)

「姉さん、知らないでしょう。今、私のクラスメイトたちの間で、桃の里の緑川青果店の話題で持ちきりなんです」助手席に座った鈴木和弘は興奮した様子で話した。

「うちの野菜は学校で大人気なんです。みんな、うちの野菜を食べたら、なんか違うって言うんです。エネルギーが尽きないような感じがして、とても元気になるし、ご飯もおいしく食べられて、よく眠れるって」

「寮生活をしている学生たちも聞きつけて、この休みを利用して、うちの店で野菜を買いに来るつもりだそうです」

「安則町の桃の里から来たって知られているから、私と関係があると思われて、多くの人が野菜を取り置きしてほしいってお願いしてくるんです」

後部座席の鈴木のお母さんはすぐに尋ねた。「野菜を取り置き?もうすぐ大学入試じゃないの?どうやって料理するの?」