第211章:誰の後ろ盾が大きいか(2日目)

鈴木花和の言葉が落ちると、周りの人々は少し驚いた様子を見せた。

南都大学を卒業したこの大学生がこんなに上手く人を罵れるとは。

蛇鼠一窩、腐った鍋に腐った蓋!

このワンダースーパーの店主夫婦はまさにお似合いだ。

罵るべき相手を間違えてなんかいない!

黒田鏡華はそれを聞いて、怒りに震え、鈴木花和を指差して大声で詰問した。「この下賤な女が誰を蛇鼠だの腐った鍋蓋だのと罵ってるんだ?もう一度言ってみろよ!」

今まで誰も彼女の目の前でこんな酷い言葉で罵ったことはなかった。

鈴木花和は冷ややかに言った。「当てはまる人に言ってるのよ!」

「この!」黒田鏡華は顔を青白くさせ、悪意を込めて三郎に向かって大声で言った。「三郎、あいつに少し教訓を与えてやれ!」

「姉さんに指一本でも触れたら承知しないぞ!」鈴木和弘は即座に姉を後ろに庇い、鈴木則成たちも同様だった。

「黒田鏡華、この娘は妊婦だぞ。子供を宿してるのに教訓を与えるだと?人としての道理がわかってるのか!」曽田お爺さんは非常に怒って問いただした。

そして彼は三郎たちのチンピラを見て、厳しく警告した。「妊婦に手を出したら承知しないぞ!」

三郎たちはチンピラとはいえ、そこまで人でなしではなく、本当に妊婦に手を出すようなことはしなかった。

こんな大勢の人前で、もし何か起これば、彼らは逃げ切れるはずもない。

しかし、これだけの人の前で彼らに教訓を与えなければ、面子が丸つぶれだ。

三郎は凶悪な表情で言った。「ふん、妊婦だろうが何だろうが、兄貴と兄貴の嫁を侮辱したんだ、教訓は受けてもらう。」

そう言うと、鈴木花和の前に歩み寄り、手を伸ばして押そうとした。

実は、彼が押そうとしていたのは鈴木和弘だった。

妊婦には手を出せないが、妊婦の弟なら手を出せる。

しかし、この動作は鈴木花和を守っていた人々には、彼女を押そうとしているように見えた。

「何をする気だ!」

「畜生め!」

すぐに「バン」「ドン」という音が響いた。

一つは鈴木和弘が棒で三郎を打った音。

もう一つは三郎というチンピラが地面に倒れた音だった。

手を出した、いや、足を出したのは、このお爺さんだった。

皆が彼に注目した時、彼は上げていた足を引っ込めているところだった。