宮崎高空が会社に戻ると、木野元彦が箱を持ってきて、「高空、お爺さんが何か送ってきたよ」と言った。
箱を開けてみると、中には保存容器に入ったイチゴが入っていた。
「えっ、イチゴだ!」木野元彦は驚いて言った。「このイチゴ、まだ青いみたいだね。お爺さん、なんで青いイチゴを送ってきたんだろう?」
彼は二箱のイチゴを机の上に置きながら、不思議そうに尋ねた。「このイチゴ、何か特別なものなのかな?」
そうでなければ、お爺さんがこんな遠くからイチゴを送ってくるはずがない。
しかも、このイチゴはまだこんなに青い。
宮崎高空は机の上の二箱のイチゴを見つめた。イチゴは先端だけが赤く、完全には熟していないものの、とても魅力的に見えた。
彼は黙って保存フィルムを開けた。
瞬間、イチゴの清々しい香りが漂ってきた。
木野元彦は鼻をくんくんさせながら、思わず「この香り、すごくいい!」と叫んだ。
そう言うと、彼は我慢できずに箱からイチゴを一つ取り出して、洗うことも忘れて一口かじった。
「うまい!」木野元彦が一口かじると、イチゴの香りが口いっぱいに広がった。「このイチゴ、なんでこんなに美味しいんだ?」
木野元彦は思わずもう一度感嘆の声を上げた。
「なるほど、だからお爺さんがこんな遠くからイチゴを送ってきたんだな」身近な人として、宮崎高空と宮崎お爺さんの祖孙の情を彼はよく理解していた。
二人はいつも言い合いをしているように見えるが、お互いのことを本当に思いやっている。
美味しいものがあれば、相手の分も忘れない。
木野元彦が感嘆している間に、普段は潔癖症の宮崎高空も、イチゴを洗うことを忘れて、そのまま口に入れて一口かじった。
彼は眉をゆるめ、うなずきながら「このイチゴ、本当に美味しいな」と言った。
少なくとも、世界中の高級フルーツを食べてきた彼が、こんなに美味しいイチゴを食べたのは初めてだった。
「完全には熟していないけど、甘みと酸味のバランスが良くて、何より香りが素晴らしい」木野元彦は評価して言った。「もう少し時間が経てば、もっと美味しくなるだろうな!」
宮崎高空は大いに同意して頷いた。
気づかないうちに、二人はイチゴを食べ尽くしていた。
二人が再び箱に手を伸ばした時、気まずい状況になった。