勢いよく燃え上がる大火は、十数分間燃え続けましたが、みんなで消し止められ、人的被害もなく、財物の損失だけで済みました。
火事がこんなに早く消し止められた理由。
一つ目は、人が多かったこと。一人一バケツの水で、村中の百人以上の村民が消火活動に参加しました。
二つ目は、防火・消火対策が十分だったこと。ビニールハウスには消火器がたくさん備え付けられており、貯水池も何箇所か掘られていて、火事が起きたときにポンプで水を汲み出せました。
三つ目は、もちろん地理的環境です。この夜は風もなく、とても静かで、さらに大野原は小川に隣接していて、水源が豊富でした。
最後の煙が一バケツの水で完全に消え去ったとき、全員が額の汗を拭いながら笑って言いました。「やっと火が消えたね」
「そうだね、やっと消えた。このまま燃え続けていたら、この一帯が全滅していたかもしれない。そうなったら損害は大変なことになっていただろう」
「でも、この状況を見ると、損害も小さくないよ。あのイチゴは一つ200円もする高級品だからね。50キロの損失でも1万円以上になるよ」
「でも、この状況を見ると、損失は100キロ以上になりそうだね」ある村民が残念そうに言いました。「何棟かのビニールハウスが燃えて、イチゴも焼けてしまった」
「ところで、この火事はどうやって起きたんだろう?」ある村民が不思議そうに尋ねました。「火元を見ると、イチゴ畑から始まったようには見えない。あの場所からのようだ」
誰かが灰になった雑草地を指さして言いました。「見てください。燃えたビニールハウスは、みんなこの土地の周りにありますよ」
「そう言われてみれば、本当だね」
「あの土地は囲われていないから、鈴木花和さんの土地じゃないはずだ。誰の土地なんだろう?」
「確か大野原全体で、鈴木花和さんに土地を貸していないのは3、4軒だけだよね」
「うん、あの土地を見ると、鈴木大樹さんのもののようだね」
「ああ、鈴木大樹さんのだよ。あの土地には何も植えていないし、真夏で草も高く生い茂っているのに、突然燃え出すはずがないよね?」
「もしかして、夜警の4人がタバコを吸って、吸い殻を完全に消さなかったために燃え出したのかな?テレビのニュースでよく、山火事の原因が木こり達のタバコの不始末だったって放送されているじゃない」