鈴木花和は両親が出て行った後、とても心配になった。
彼女は大きなお腹を抱えているため、外に出ても迷惑をかけるだけだった。
彼女はリビングを行ったり来たりした後、何かを思い出して部屋に戻り、監視カメラの映像を確認した。
映像を巻き戻すと、茂みの辺りを通り抜ける人影に気付いた。
茂みの前には配管があった。
鈴木花和は鋭い目を細め、すぐに理解した。
その人物は配管を通って茂みを抜け、カメラの死角となっているエリアを通ったのだ。
その場所が監視できないことを知っていたのか、それとも単なる偶然なのかは分からなかった。
つまり、放火した後もその場所から素早く逃げ出すはずだ。
そう考えた鈴木花和は急いで外に飛び出した。
その場で犯人を捕まえようと思ったのだ。
真夜中で暗く、みんなが照明器具や消火器具を持って消火活動に急いでいたため、鈴木花和が家から出てきたことに気付いた人はいなかった。