第303章:ボディーガードの配置 (14更)

宮崎高空は自分の部屋に戻るとすぐに、木野元彦とビデオ通話をした。

宮崎高空は厳しい表情で命令した。「元彦、警備会社に行って、すぐにエリート警備員チームを派遣してくれ。ただし、急いでも慎重に、誰にも気付かれないようにな」

今の状況では、帝都の人々に鈴木花和のことを注目させるのは得策ではない。そうでなければ、彼女に面倒が及ぶかもしれない。

しかし、今は誰にも花和を邪魔させたくなかった。

宮崎高空のそんな真剣な表情を見て、木野元彦は不思議そうに尋ねた。「高空、何かあったのか?随分と深刻な様子だな!」

小さな村に、エリート警備員を派遣する必要があるなんて、何か尋常ではないことが起きているに違いない。

宮崎高空も隠さなかった。

彼は言った。「桃の里が狙われているんだ」

「えっ?」木野元彦は明らかに驚いた様子だった。

「正確に言えば、桃の里のイチゴ畑が狙われているんだ」と宮崎高空は言った。「今、観光開発という名目で、堂々とした口実を使って、桃の里全体を乗っ取ろうとしている者がいる」

「はっ!」木野元彦は驚きを隠せなかったが、すぐに気を取り直して言った。「高空、そうなら、先手を打って、先に桃の里に投資すればいいじゃないか。でも、そのために警備員チームを派遣する必要はないだろう?あいつらに警告を与えるだけでいいんじゃないか」

財力も権力も、誰が宮崎家の宮崎高空に敵うだろうか。

しかし宮崎高空は言った。「もしそれだけの問題なら、確かに警備員チームを派遣する必要はない。だが、ここで別の問題が起きているんだ」

「どんな問題だ?」木野元彦は本当に興味を持ったようだった。

「実は、あの美味しいイチゴが育つのは、桃の里の土壌のせいじゃない。牛の王と呼ばれる一頭の牛のおかげなんだ。その牛は鈴木花和の家のものだ」

宮崎高空は続けた。「この牛の王の糞を肥料にすると、農作物がよく育ち、味も格別になる。鈴木花和の家のイチゴや野菜は、そうやって育てられているんだ」

「えっ?」木野元彦は驚きという言葉では表現できないほど驚いていた。

しかし宮崎高空はまだ話し終わっていなかった。

彼は続けて言った。「今、最も重要な問題は、この牛の王のことが、桃の里のバカな奴によって売られてしまったことだ。こうなると、鈴木花和も鈴木家も、非常に危険な状態に置かれることになる」