第304章:ボディーガードたちの到来(15更)

「社長様が憑依でもされたのかしら?そうでなければ、なぜこんなに人が変わってしまったのでしょう?」

しかし、彼らの言葉から、少し理解できた。

このおじさんとおばさんが言う娘、社長様が言う珠希とは、社長様が好きな女性なのだ。

社長様が好きな女性!

それを考えると、部屋中のボディーガードたちは、驚きを隠せなかった。いや、戦慄を覚えた。

帝都の最上流社会で冷酷無情、ビジネス界では生き閻魔大王と呼ばれる宮崎家の長男が、ある日一人の女性を好きになるなんて、誰も想像していなかった。

しかもその女性は、ごく普通の農家の娘で、見たところ非常に気にかけているようだ。そうでなければ、真夜中に会社の精鋭ボディーガードを動員し、ヘリコプターで飛んできて、ただの農家を守るためだけに来るはずがない。