第332章:瞬間の激変(1更)

Z市

広瀬輝は折田家とのコネを得たことで、利益の半分を分け与えることになったものの、桃の里の開発に対してより自信を持つようになった。

もはや折田辻司を恐れる必要はなかった。

なぜなら、彼が手に入れたコネは折田辻司の父親だったからだ。

父親がパートナーとして圧力をかければ、辻司に何ができるというのか。

そのため、彼は今、愛人とホテルで過ごすことに満足していた。

ホテルで愛人と楽しもうとしていた時、突然秘書から電話がかかってきた。

米内秘書は慌てた声で尋ねた。「広瀬会長、どちらにいらっしゃいますか?会社で大変なことが起きました!」

広瀬輝は眉をひそめ、困惑して尋ねた。「大変なこと?何が起きたんだ?」

しかしすぐに折田一馬との提携のことを思い出し、大笑いしながら言った。

「確かに大変なことだ。我が社が折田キャピタル投資会社と提携したことは、まさに大事件だからな!」

そして少し苛立ちながら言った。「いいから、用がないなら邪魔しないでくれ。」

相手の米内秘書は一瞬沈黙した後、広瀬輝に衝撃的な事実を次々と伝えた。

米内秘書は言った。「広瀬会長、本当に大変なことが起きているんです。以前、当社が投資した観光地で、立ち退き作業の際に適切な対応をせず、補償金が低すぎて、数人を死に追いやったという情報が暴露されました。

さらに、税務署の職員が会社に来て、脱税や帳簿の改ざんの疑いがあると言って、現在税務調査と会計監査を行っています。

これらの問題が短時間でトレンド入りしてしまいました!」

秘書の報告を聞いた広瀬輝は、手から電話を落としてしまった。

目を見開いたまま、顔面蒼白になった。

表情には不安と動揺が浮かんでいた。

これらの事実がどうやって暴露されたのか、まったく理解できなかった。

つい先ほどまで何も問題なかったのに。

広瀬輝は信じられない様子だった。

すぐに部屋のパソコンを開き、ニュースサイトを開くと、トレンドランキングの一位に「グロバ観光開発株式会社は悪魔だ」というニュースが表示されていた。

広瀬輝は震える手でそのトレンドをクリックした。

その内容を見た瞬間、瞳孔が激しく収縮した。