第336章:鈴木お爺さんたちが帰ってきた(その1)

請負った山の事業が決まり、栽培したピーナッツと大豆は収穫の時期を迎えていた。

しかし、鈴木花和の家族がより喜んでいたのは、鈴木お爺さんと鈴木お婆さん、鈴木おじさんたちが外地から戻ってきたことだった。

十数年前、花和のおじさんである鈴木景昭が外で商売をし、暮らしが少し良くなり、さらにビジネスと子供の世話のため、お爺さんとお婆さんは長男と一緒にそこへ行った。

ただし、鈴木家は毎年正月には必ず帰ってきて集まっていた。

鈴木お爺さんと鈴木お婆さんの考えでは、正月は家族全員が揃わなければならないということだった。

今年、長男の鈴木和弘が帝都大学に合格し、しかもZ市の理系のトップだった。

これは鈴木家の大きな喜びで、どんなに忙しくても、この進学祝いには必ず帰ってくることにしていた。