第335章:現金を配る(2番目の更新)

三日後、鈴木花和は銀行から五百万以上の現金を引き出した。

町の銀行にはそれほどの現金がなく、県の銀行に予約してから引き出すしかなかった。

現金の引き出しは極めて慎重に行われた。

そのため、現金を村まで運び込んでも誰にも気付かれず、順調に進んだ。

「わあ、すごい額だね」

村長は配分の通知を受け、村の人々は、出稼ぎで帰れない人や間に合わない人を除いて、全員が村委員会の広場に集まっていた。

出稼ぎに行っている人の中には、家で現金が配られるという知らせを聞いて、急いで帰ってきた人もいた。

結局、この現金は一人当たりで配分され、一人七、八千円ほど、二人以上の家庭なら一万五千円以上もらえるのだ。

これは大金だ。

家には老人か子供しかいないので、これだけの大金を放っておくわけにはいかない。