020：2人の役立たずに時間を無駄にしない！

周防蕾香はこの時、蒼井華和が彼女の言葉を聞き取れなかったのではないかと疑っていた。

そうでなければ、蒼井華和がこんなにも直接的に断るはずがない。

彼女のような田舎者なら、お金持ちのお茶会に憧れているはずだ。

周防蕾香は我慢強く言った。「11時半のお茶会よ。10分で着替えてきなさい！時間に遅れたら、連れて行かないわよ。」

「言ったでしょう」蒼井華和は顔を上げることもなく、白い指で本のページをめくりながら言った。「暇がないの。」

相変わらず淡々とした声だった。

感情の欠片も含まれていない。

周防蕾香は眉をひそめ、目に嫌悪感が増していった。野育ちは場末だわ。

蒼井真緒が頼んでくれなければ、こんな高級な場所に行けると思っているの？

それなのに今、蒼井華和は蒼井真緒に感謝するどころか、こんなにも分かっていない。

やはり龍は龍を生み、鳳は鳳を生む。鼠の子は穴を掘る。

蒼井華和の実の両親はきっとろくでもない人間に違いない。そうでなければ、こんな者を生むはずがない。

「勝手にすれば。」周防蕾香はそのワンピースを手に取り、「今回行かないなら、次からこういう場所には誘わないわよ！」

周防蕾香はこの脅しで、蒼井華和が少なからず怖がると思っていた。

しかし蒼井華和は相変わらずの超然とした様子で、まるで聞こえていないかのようだった。

野種は野種！

周防蕾香は我慢できず、両手でドレスをきつく握りしめ、帰る前に蒼井華和を鋭く睨みつけた。

その一瞥で、周防蕾香は蒼井華和が手に持っている本の文字が一つも読めないことに気付いた。

英語でもなく、韓国語や日本語のようでもない。

田舎出身の蒼井華和に読めるはずがない。

外国語の本を持っているだけで、蒼井真緒のように四カ国語に堪能で、河内市の才女になれると思っているの？

夢見すぎ！

周防蕾香はワンピースを持って階下に降りた。

「お母さん、どうしてまたドレスを持って降りてきたの？」蒼井真緒は既に着替えを済ませていた。今日の彼女は白いトップスに黒いハイウエストスカート、足元には高級ブランドの世界限定10足のスニーカーを履き、精緻なメイクをして、とても綺麗に見えた。

蒼井真緒の河内市一の美人という称号は決して根拠のないものではなかった。