蒼井真緒はそのように周防鳳雅を見つめ、目の奥には断固とした色が浮かんでいた。
彼女は確かに結城詩瑶を治せる自信があった。
八割の確率ではない。
十割だ!
八割と言ったのは、謙遜だった。
蒼井真緒は、人はいつでも控えめに行動すべきだと考えていた。
周防鳳雅は蒼井真緒を見つめ、複雑な表情を浮かべ、少し動揺していた。
しばらくして、蒼井真緒は続けて「結城奥さん、漢方は医縁と信頼が大切です。もし私を信用していただけないのなら、結城さんとは医縁がないということですね」と言った。
ここまで言って、蒼井真緒は立ち上がり、「お時間も貴重でしょうから、結城さんと医縁がないのなら、これ以上お邪魔はいたしません」と言った。
これが医者としての矜持だった。
周防鳳雅が彼女を信用しないのは、周防鳳雅の損失だ。