蒼井紫苑は大学に入ったばかりだが、すでに自分のスタジオを持つほど成功している。
これを聞いて、蒼井奥様は深く考えずに頷いて言った。「じゃあ、早く行ってきなさい」
蒼井紫苑は立ち上がって二階へ向かった。
二階に着くと、すぐに電話をかけた。「どうなってるの?」
相手が何を言ったのかは分からないが、蒼井紫苑は続けて言った。「写真を送って、今すぐに」
言い終わると、電話を切った。
この瞬間、彼女の心臓は少し早く鼓動し、非常に緊張していた。
もし本当に蒼井紅音が見つかったら、どうなるのか想像もできなかった。
だから。
絶対に蒼井紅音であってはいけない。
これだけの年月が経って、蒼井紅音はとっくに死んでいるはずだ。
ピッ。
そのとき、携帯が再び鳴った。
蒼井紫苑はすぐに携帯を取り出し、WeChatを開いた。
'hp'と登録されている人から一枚の写真が送られてきた。
写真には非常に若い女の子が写っていた。
立体的な顔立ちをしている。
見れば分かる、美人の素質がある。
蒼井家の者は皆、男は格好良く、女は美しい。
まさか......
これが長年行方不明だった蒼井紅音?
蒼井紫苑は必死に冷静さを保とうとした。今は慌ててはいけない。
しばらくして、蒼井紫苑は蒼井奥様の寝室に行き、化粧台の前で毛根のついた髪の毛を二本見つけた。
髪の毛を手に入れた後、蒼井紫苑は慎重に蒼井奥様の寝室を出て、一階に降りた。
「お母さん、ちょっと出かけてきます」
蒼井奥様はソファから立ち上がり、「紫苑、どこに行くの?」
蒼井紫苑は笑顔で答えた。「スタジオに行ってきます」
「そう」蒼井奥様は頷いた。「夜ご飯は帰ってくる?」
「状況次第です。お母さん、私を待たないでください」
「分かったわ」
蒼井紫苑は車で出発した。
スピードがかなり速く、蒼井紫苑はほとんど自分をコントロールできないほどだった。
許さない。
誰にも蒼井家のお嬢様の地位を脅かすことは許さない。
力を入れすぎて、ハンドルを握る手の関節が白くなっていた。
30分後、車は宅配会社の前に停まった。
蒼井紫苑は車から書類を取り出し、「保険付きで、河内市まで送ってください」
配送スタッフは書類を受け取り、「携帯で品物の価値と具体的な住所を入力してください」