061：顔面崩壊！

蒼井真緒は、結城詩瑶がこんなに早く回復するとは思っていなかった。

もう少し治療が必要だと思っていたのに。

この戦い、彼女は見事に勝利を収めた。

今日以降。

彼女の地位は河内市一の才女というだけではなくなった。

河内市一の名医にもなったのだ！

これからは、大和国一の名医にもなるだろう。

彼女の地位はますます高くなり、静園さんと肩を並べるまでになるはずだ。

そう考えると、蒼井真緒の口元の笑みが一層深くなった。

執事は頷いて、「かしこまりました、お嬢様。すぐに参ります」と言った。

そのとき、周防蕾香が慌ただしく階段を降りてきた。「真緒」

「お母様」蒼井真緒は振り返った。

周防蕾香の顔は笑顔に満ちていた。「真緒、結城家の方がいらしたって聞いたわ？」

「はい」蒼井真緒は頷いた。

その言葉を聞いて、周防蕾香は非常に興奮した。

ついにこの日が来たのだ。

結城家の者の来訪は、蒼井真緒にとって最高の誕生日プレゼントとなるはずだった。

蒼井真緒は階段の方を見上げて、「お姉様はどこ？」と尋ねた。

その言葉を聞くと、周防蕾香の笑顔はすぐに消えた。「上にいるわ。せっかくの機会なのに、あの私生児のことなんか持ち出して」興ざめだった。

蒼井真緒は言った。「お姉様にも人を見せたいんです」

蒼井華和に現実を見せつけなければならない。

蒼井家の唯一のお嬢様は自分だけなのだと。

道化は所詮道化でしかない。

蒼井真緒は頷いた。

そのとき、執事が結城大婆様、周防鳳雅、そして結城詩瑶の三代を案内して中に入ってきた。

それを見て、近くにいた蒼井龍はすぐに出迎えた。

周防蕾香も近寄っていった。

「結城大婆様」

蒼井龍は満面の笑みを浮かべて、「結城大婆様、結城奥様、結城さん、この粗末な家にお越しいただき、娘の誕生日をお祝いいただき、誠に光栄です」

周防鳳雅は言った。「蒼井先生、蒼井奥さん。私たちは蒼井お嬢様にお礼を申し上げに参りました。蒼井お嬢様の医術は素晴らしく、まさに華岡青洲の再来です。彼女がいなければ、娘は決して回復できなかったでしょう。蒼井お嬢様はいらっしゃいますか？」

「はい、はい、はい」蒼井龍は蒼井真緒の方を向いて、「真緒、早くこちらへ」