朝倉俊真は自分の現状をよく理解していた。
一旦この金を受け取れば、事態は変わってしまう。
須藤悠翔は朝倉俊真の心中を察し、続けて言った。「感謝の方法は色々ありますが、須藤某は最も俗っぽい方法を選びました。朝倉さん、プレッシャーを感じる必要はありません。安心して受け取ってください。」
朝倉俊真はまだ断った。
周防稔真が立ち上がって言った。「俊真、須藤社長がそこまで言うなら、受け取ったらどうだ。安心して、これは須藤社長があなたに神様を紹介してもらう件とは関係ない。須藤社長はただ、橋渡しをしてくれて須藤氏の危機を解決できたことへの感謝なんだ。」
須藤悠翔は頷いて、「稔真の言う通りだ。」
「須藤社長、私はほんの些細なお手伝いをしただけです。そこまでご丁寧にしていただく必要はありません。」ここまで言って、朝倉俊真は酒杯を持ち上げた。「須藤社長、この杯、一気に飲み干します。」