078:なぜこんなに似ているの?!

朝倉俊真は自分の現状をよく理解していた。

一旦この金を受け取れば、事態は変わってしまう。

須藤悠翔は朝倉俊真の心中を察し、続けて言った。「感謝の方法は色々ありますが、須藤某は最も俗っぽい方法を選びました。朝倉さん、プレッシャーを感じる必要はありません。安心して受け取ってください。」

朝倉俊真はまだ断った。

周防稔真が立ち上がって言った。「俊真、須藤社長がそこまで言うなら、受け取ったらどうだ。安心して、これは須藤社長があなたに神様を紹介してもらう件とは関係ない。須藤社長はただ、橋渡しをしてくれて須藤氏の危機を解決できたことへの感謝なんだ。」

須藤悠翔は頷いて、「稔真の言う通りだ。」

「須藤社長、私はほんの些細なお手伝いをしただけです。そこまでご丁寧にしていただく必要はありません。」ここまで言って、朝倉俊真は酒杯を持ち上げた。「須藤社長、この杯、一気に飲み干します。」

言い終わると、朝倉俊真はグラスの酒を一気に飲み干した。

これ以上は言わなかった。

朝倉俊真がこの金を受け取る気がないと分かり、須藤悠翔もそれ以上何も言わなかった。

三人が個室から出てきたのは、それから2時間後だった。

朝倉俊真は相当酒を飲んでおり、顔を赤くして、「須藤社長のご厚意に感謝します。今後何かありましたら、須藤社長、直接おっしゃってください。私朝倉俊真にできることであれば、必ずお手伝いさせていただきます。」

「ありがとうございます、朝倉さん。」

「当然のことです。」

周防稔真は朝倉俊真を見て、声を低くして言った。「俊真、タクシーを呼んでおいたよ。外で待ってる。私は須藤社長を送っていくから。」

「分かった。」朝倉俊真は頷いた。

周防稔真は念を押した。「気をつけてな。」

「大丈夫、そんなに酔ってないよ。」朝倉俊真は胸を叩いて言った。

須藤悠翔は手で太陽穴を押さえた。

眉間には疲れの色が濃かった。

一つは飲酒のせいで、もう一つは会ったことのないあの神様のせいだった。

今夜の南国亭は非常に賑わっていた。

蒼井真緒も同級生の誕生日を祝うためにここにいた。

トイレから出てきたところで、一人の子供にぶつかられた。

七、八歳くらいの子供で、そばに大人はおらず、手にはイチゴ味のアイスクリームを持っていた。今や赤いクリームは全て彼女の白いドレスについていた。