蒼井紫苑の提案で、一行はお茶屋に入って腰を下ろした。
この古い通りと同様に、このお茶屋も長い歴史を持っていた。
店内の装飾も古風な趣があった。
数人が席に着いた。
蒼井紫苑は篠崎澪のために思いやりよく最高級の碧螺春を注文し、続けて言った。「朝比奈瑠璃姉ちゃん、蒼井姉ちゃん、私は碧螺春で大丈夫です。お二人にはフルーツティーを注文しましょうか?」
若い女の子はお茶の奥深さを理解できず、みな表面的なフルーツティーを好む。
このように比較すると、その差は明らかだった。
朝比奈瑠璃は笑って言った。「いいえ、私は何でも構いません。華和は元々お茶が好きですから。」
蒼井華和がお茶好き?
そんなはずがない。
苦くて単調な緑茶を好む若い女の子なんているだろうか?
篠崎澪の好みに合わせているだけで、本当は緑茶など飲みたくないはずだ。