090:名実共に相応しい第1位(1万字チャプター)_4

「いいえ、いいえ」篠崎登世は首を振って言った。「彼女の最高の状態をまだ見ていないのよ」

その言葉を聞いて、林朝日は非常に驚いた。「これでもまだ最高の状態じゃないんですか?」

篠崎登世は笑って言った。「そうよ」

林朝日は唇を舐めた。蒼井真緒が最高の状態になったら、どんな様子になるのか想像もできなかった。

一曲が終わった。

蒼井真緒はバイオリンを片付け、審査員の採点を待った。

最初の審査員が9.5点という高得点をつけた。

次は8.9点。

8.5、9.3、8......

最高点と最低点を除いて、蒼井真緒の最終得点は65点となった。

司会者は計算された点数を見て興奮した様子で「インターナショナルスクールの蒼井真緒さん、現在の最高得点、平均点8.125点を獲得されました!おめでとうございます!」

その言葉が終わると、会場から耳をつんざくような拍手が沸き起こった。