「お義姉さん」
「はい?」蒼井華和は振り返った。
若松峰也は口の中のインスタントラーメンを必死に飲み込んで、「これって...ちょっと塩辛くないですか?」
ちょっとどころじゃない!
塩辛すぎて喉が渇く。
「確かに塩辛いかもしれませんね。私、麺を作るのは得意じゃないんです」と言いながら、蒼井華和はもう一口食べた。
そう言って、蒼井華和は若松峰也を見た。「私は大丈夫なんですけど、食べにくいですか?よければ新しく作り直しましょうか?」
タピオカミルクティーが大好きな以外、蒼井華和は食べ物にはあまりこだわりがなかった。
いつでも、どんなに不味い物でも、平然と食べることができた。
飢えを経験した人は、誰よりも食べ物を大切にする。
「いいえ、大丈夫です」若松峰也は急いで麺を一口すすった。「僕は濃い味が好きなので、むしろ好みです」