102:祖孫

考えるまでもなく、時雨晴斗が一目惚れしたのは顔に違いない。

そんな行為は、結局のところ浅はかすぎる。

時雨晴斗はいつになったら大人になるのだろう!

須藤悠翔のその表情を見て、時雨晴斗は少し呆れて言った。「いとこ、そんなに偽善的になるなよ。人として現実的に考えないと。好きなものは好きなんだよ!立場を変えて考えてみろよ、もし俺がブスを紹介したら、お前は付き合うのか?」

「心の美しさの方が大切だ」須藤悠翔は時雨晴斗を見上げて言った。

蒼井真緒のように。

心が顔に出る。

蒼井真緒は特別美人というわけではないが、一目見ただけで、人に心地よい印象を与える。

それで十分だ。

反対に、蒼井華和のような計算高い拝金女は、たとえ九天仙女のような美貌を持っていても、二度と見向きもしない。