時雨晴斗は笑って言った。「確かに従兄とは少し意見が合わないんです。それをお見抜きになったんですね」
「そうよ」須藤大婆様は満面の笑みを浮かべて、「私には見抜く目があるのよ!で、二人は何で意見が合わないの?」
時雨晴斗は事情を須藤大婆様に説明した。
それを聞いて、須藤大婆様は首を振った。「あの子ったら、典型的な帝王の器じゃないのに帝王病にかかってるのよ!誰を見ても策略があると思い込んでる!本当に策略がある人は見抜けないくせに、時々頭を歪めてやりたくなるわ!」
須藤大婆様は本当に怒っていた。
蒼井華和のような素晴らしい娘を、須藤悠翔は拝金主義者だと決めつけた。
そう言って、須藤大婆様は時雨晴斗の手を取った。「晴斗、従兄に惑わされちゃダメよ。この世界にそんなに策略家の女性なんていないわ。おばあちゃんは、あなたが勇気を出して恋をすることを応援するわ!」