104:大物が慌てた!_6

「ありがとうございます、おばさま。お気持ちは嬉しいですが、私にはお金があります」蒼井華和は丁寧に断った。

その瞬間、早坂明慧は蒼井華和と如月廷真がある面で似ていると感じた。

結局、彼女が如月廷真にお金を渡そうとするたびに、如月廷真も同じように断るのだった。

二人とも仕事をしていない。

一人は遊んでばかりで、もう一人は学生。いったいどこからお金が出てくるのだろう?

「華和、おばさんには娘がいないから、あなたを娘のように思っているの。受け取ってちょうだい」早坂明慧はカードを再び蒼井華和の手に押し付けた。

早坂明慧のこの言葉は心からのものだった。

この時、彼女は本当に蒼井華和を娘のように思っていた。

蒼井華和はやはり断った。

仕方なく、早坂明慧はカードを引っ込めた。

ミルクティーを飲み終わった後、早坂明慧は蒼井華和を車で送ると申し出た。