104：大物が慌てた！_5

「あなたは蒼井家の養女だから、私はずっと偏執的にあなたと蒼井真緒は同じような人だと思っていました」

「この前うちに来てくれた時も、私はちゃんとおもてなしができなくて、許してほしいわ。私はその時、目が曇っていて、分別がつかなかったの！」

今になって思い返すと、早坂明慧は非常に後悔していて、タイムスリップして、あの時の自分を平手打ちしたいくらいだった。

でも残念ながら......

この世に後悔薬なんてないのだ。

ここまで言って、早坂明慧は一旦言葉を切り、続けて言った：「それと、あなたがくれた美容丸も、私はその時、あなたが大げさに言っているだけだと思って、真珠を魚の目と間違えて捨ててしまったの......

これを聞いて、蒼井華和はきっと怒るだろうと思っていた。

彼女が捨てたのは蒼井華和の心血だったのだから。

蒼井華和は表情を変えずに、「おばさま、謝罪を受け入れます」と言った。

早坂明慧が誠意を持って謝罪していることが感じられた。

結局のところ、美容丸を捨てたことについて、早坂明慧が言わなければ、彼女は知ることもなかったのだ。

早坂明慧が包み隠さず身分を下げて謝罪してくれたのだから、受け入れない理由はなかった。

「美容丸については、時間ができたら、また作らせていただきます」

早坂明慧はすぐに断った。「華和、あなたは今高校三年生なのよ。一番大切なのは勉強をして、良い大学に合格することよ」

如月廷真は大学受験ができなかったことが、早坂明慧にとってずっと心残りだった。

だから、蒼井華和には一生懸命勉強してほしかった。

蒼井華和はミルクティーを一口飲んだ。美容丸を作ることは、彼女にとってそれほど難しいことではなかった。

言葉が落ちると、早坂明慧は続けて尋ねた：「華和、どの大学を目指しているの？」

「帝都大学です」と蒼井華和は答えた。

帝都大学は正真正銘の985プロジェクト校で、単なる211プロジェクト校とは比べものにならない。

世界の大学ランキングでも常にトップ3に入る。

帝都大学に合格するには、十分な実力が必要だ。

早坂明慧は一瞬驚いた後、「じゃあ、普段から頑張らないといけないわね。少しも油断はできないわ」と言った。

「はい」