104:大物が慌てた!_3

蒼井智輝は頷いた。

蒼井大婆様は横のソファを指差して言った。「座りなさい。」

蒼井智輝はソファに座った。

「葉山雄大とはまだそれほど長く付き合っていないでしょう?」と蒼井大婆様は尋ねた。

「三ヶ月です。」

蒼井大婆様は少しも驚かなかった。「そうだと思っていたわ。」

「おばあちゃんは彼女のことが気に入らないんですか?」と蒼井智輝は続けて尋ねた。

「確かにあまり好きではないわね」と蒼井大婆様は遠回しな言い方をせずに言った。「私は長年風雨の中を生きてきて、様々な人を見てきたわ。あなたのこの彼女は、一目見た時から並の人間ではないと感じたの。」

蒼井智輝は黙っていた。

蒼井大婆様は蒼井智輝を見つめて「あなたはどう考えているの?」と聞いた。

蒼井智輝は「真剣です」と答えた。

「真剣なのは良いことよ。友情でも恋愛でも、真剣に向き合わなければならないわ。」ここで蒼井大婆様は一旦言葉を切った。「でも真剣であるためには、相手も真剣でなければならないの。お互いが向かい合う愛でこそ意味があるのよ。」