105:静園さんの心の中の人_4

如月廷真は疑わしげに彼女を見つめた。

蒼井華和は説明した。「このカードは叔母さんがくれたの……」そう言って、今日の早坂明慧との出会いについて話した。

それを聞いて、如月廷真は軽く頷いた。「わかった。彼女に返してくる。」

「うん、気をつけて帰ってね。」そう言って、蒼井華和は続けた。「最近、足の具合はどう?」

「大丈夫だ。」

「それならよかった。」

蒼井華和は如月廷真を玄関まで見送った。

如月家に戻ると、如月廷真はキャッシュカードを早坂明慧に返した。

早坂明慧は眉をひそめた。「このカード、華和にあげたはずじゃない?どうしてあなたの手元にあるの?」

如月廷真は言った。「華和が、お金に困ってないから、お母さんに返してくれって。」

「あなたったら、なんてドライなの!華和が返してって言ったからって、本当に返しちゃうの?」