如月廷真は疑わしげに彼女を見つめた。
蒼井華和は説明した。「このカードは叔母さんがくれたの……」そう言って、今日の早坂明慧との出会いについて話した。
それを聞いて、如月廷真は軽く頷いた。「わかった。彼女に返してくる。」
「うん、気をつけて帰ってね。」そう言って、蒼井華和は続けた。「最近、足の具合はどう?」
「大丈夫だ。」
「それならよかった。」
蒼井華和は如月廷真を玄関まで見送った。
如月家に戻ると、如月廷真はキャッシュカードを早坂明慧に返した。
早坂明慧は眉をひそめた。「このカード、華和にあげたはずじゃない?どうしてあなたの手元にあるの?」
如月廷真は言った。「華和が、お金に困ってないから、お母さんに返してくれって。」
「あなたったら、なんてドライなの!華和が返してって言ったからって、本当に返しちゃうの?」