105:静園さんの心の中の人_2

ドキドキ。

一つまた一つ。

まるで胸から飛び出しそうな勢いで。

もしこの人たちが静園さんのために自分にこんなに敬意を払っているのなら、それは静園さんが既に自分のことを好きになっているということを意味する。

蒼井真緒は興奮した気持ちを抱きながら、アダムの後を追った。

アダムは蒼井真緒をVIPルームへと案内した。

「蒼井さん、どうぞお座りください」

蒼井真緒は丁寧に腰を下ろした。

アダムは笑顔で言った。「事前に蒼井さんがいらっしゃるとは知りませんでした。もし至らぬ点がございましたら、どうかご容赦ください」

そう言って、アダムは何か思い出したように続けた。「蒼井さん、自己紹介させていただきます。私はアダムと申します。何かご要望がございましたら、直接私にお申し付けください」

「はい、わかりました」