100:河内市へ_2

すぐに、公開授業が始まった。

教壇に立って授業をしているのは真壁美々だった。

真壁美々は蒼井華和という生徒をとても気に入っているようで、時々彼女に質問の答えを求めていた。

そして蒼井華和も期待を裏切ることなく、完璧に答えていた。

しかし葉山雄大から見れば、それは演技に過ぎなかった。真壁美々はクラスで公開授業があることを知っていたので、蒼井華和と事前に答えを打ち合わせていたのだ。

この真壁美々は本当に頭が悪い。

葉山雄大は彼女を見つめ、目の奥には呆れた表情が浮かんでいた。

二人は大学の同級生だった。

当時の真壁美々は輝かしい存在で、奨学金を次々と獲得していた。誰も、真壁美々が就職後このような状態になり、今でも優秀教師の評価さえ得られていないとは想像もしていなかった。