如月佳織はこれを聞いて、すぐに言った。「次兄の言う通りよ。お兄さん、あなたが全責任を負えるなら、お父さんにこの薬を飲ませてもいいわ。もしお父さんが薬を飲んで何か問題が起きたら、あなたたちは遺産を相続できないわよ。」
如月志弘が何か言おうとした時、早坂明慧は彼の手を押さえて言った。「ゆきお、佳織、あなたたちの言葉がおかしいと思わない?」
「何がおかしいの?」如月志邦が尋ねた。
早坂明慧は言った。「お父さんは高齢で、今は重病なの。鎮靜丸は仙薬じゃないわ。誰も飲めばすぐに効果が出るなんて保証できないわ。私が保証できるのは、鎮靜丸は毒薬でもないし、怪しい薬でもないってことだけよ。」
彼女だけでなく。
華岡青洲が生き返ってきても、百パーセントのリスクゼロは保証できない。
ここまで言って、早坂明慧は一旦言葉を切り、続けて言った。「それに、お父さんはまだ何も起きていないのに、あなたたちはもう遺産のことを考えているなんて、やりすぎだと思わない?」