112:南そもん、北村夢香_3

犬でさえ信じない!

人間なら尚更だ。

白川雪乃は口を開いた。「お兄さん、お姉さん、婚約破棄の件以来、ずっと気分が優れないのは分かります。でも、人は現実を受け入れなければならないものです。」

白川雪乃もあまり直接的には言えず、遠回しに表現するしかなかった。

ここで一旦言葉を切り、続けて言った。「身内だからこそ言わせていただきますが、気を悪くしないでください。蒼井家のやり方は確かに良くなかったですが、彼らだけを責めることはできません。」

責めるとすれば、如月廷真が情けないことを責めるしかない。

もし蒼井真緒が自分の娘だったら、彼女も自分の娘を役立たずと結婚させたくはないだろう。

早坂明慧は白川雪乃の言わんとすることを理解し、心中穏やかではなかった。何か言おうとした時、白川雪乃が続けて話し始めた。