犬でさえ信じない!
人間なら尚更だ。
白川雪乃は口を開いた。「お兄さん、お姉さん、婚約破棄の件以来、ずっと気分が優れないのは分かります。でも、人は現実を受け入れなければならないものです。」
白川雪乃もあまり直接的には言えず、遠回しに表現するしかなかった。
ここで一旦言葉を切り、続けて言った。「身内だからこそ言わせていただきますが、気を悪くしないでください。蒼井家のやり方は確かに良くなかったですが、彼らだけを責めることはできません。」
責めるとすれば、如月廷真が情けないことを責めるしかない。
もし蒼井真緒が自分の娘だったら、彼女も自分の娘を役立たずと結婚させたくはないだろう。
早坂明慧は白川雪乃の言わんとすることを理解し、心中穏やかではなかった。何か言おうとした時、白川雪乃が続けて話し始めた。