如月佳織は冷たく鼻を鳴らし、「人の心は変わるものよ!私は自分の目で見たものしか信じない」
如月廷臣は早坂明慧の側に寄り、やや責めるような口調で「母さん、どうして父さんを止めなかったんですか?」
早坂明慧が少しでも説得していれば、事態はここまで悪化しなかったはずだった。
「私も華和を信じているからよ」と早坂明慧は答えた。
如月廷臣は母親を信じられない様子で見つめた。
「母さん、何を言ってるんですか?」
彼にはこの言葉が早坂明慧の口から出たとは到底信じられなかった。
結局のところ、以前の早坂明慧は蒼井華和を嫌っていたのだから。
早坂明慧は先ほどの言葉をもう一度繰り返した。
「母さん、あまりにも分別がないですよ!」如月廷臣は声を抑えながら、憤慨した表情で言った。「母さんは前とは違います!」