118：手術が無事完了、ビンタを食らわせる！_2

如月志弘は複雑な心境で、ペンを取り、きっぱりと署名した。

如月向陽は証文を手に取り、心の中で非常に興奮し、蘭木工房を手に入れた後の発展計画を立て始めた。

「父さん！署名してはダメです！」そのとき、如月廷臣と如月廷遥が慌てた様子で駆けつけてきた。

如月向陽は証文をポケットにしまい、二人を見て、「伯父さんはもう署名を済ませた」と言った。

「父さん！何をしているんですか？」如月廷臣は気が狂いそうだった。「どうして私と廷遥に相談もなく、蘭木工房を叔父さんたちに渡してしまうんですか！」

蘭木工房は如月グループ全体の希望の星だった。

しかし今、如月志弘は蘭木工房を賭け金のように賭けてしまった。

しかも、必ず負ける勝負だった。

「安心しろ、お前の祖父は大丈夫だ」如月志弘は如月廷臣を見て言った。

如月廷臣は眉をひそめ、何も言わなかった。

大丈夫？

彼は今、如月志弘が誰かに呪いをかけられたのではないかと疑い始めていた。

そうでなければ、なぜ一介の田舎娘をこれほど信用するのか！

田舎娘に如月大爺様の手術をさせるなんて。

まったく夢物語だ！

目の前にいる人が自分の父親でなければ、如月廷臣は平手打ちをくらわせたいくらいだった。

如月廷遥も如月志弘のやり方があまりにも常軌を逸していると感じ、如月志邦の側に寄って、「叔父さん、蘭木工房は父の一生の心血です。今日は感情的になりすぎて、私と兄に相談もせずに......」

蘭木工房がまさに国際進出しようとしているこのタイミングで、如月志弘がみんなにこんな冗談を仕掛けた。

言葉が終わらないうちに、如月志邦は如月廷遥の方を向き、彼の言葉を遮って、「廷遥よ、お前と兄さんはそれぞれ何パーセントの株を持っているんだ？」

「五パーセントです」如月廷遥は答えた。

これを聞いて、如月志邦は頷き、続けて言った。「安心しろ、叔父さんは血も涙もない人間じゃない。お前と廷臣の持ち分は、叔父さんは一切手を出さない。兄弟二人の分はそのままだ！」

如月廷遥は眉をひそめ、「叔父さん、みんな身内なのに、本当にもう話し合う余地はないんですか？」