助手は言い終わると、すぐに立ち去った。
蒼井真緒はそのまま助手の背中を見つめ、体から力が一瞬で抜けていくような感覚に襲われた。
もしかして、UKは静園さんの事業ではないのだろうか?
今どうすればいいのだろう。
彼女がUKのイメージキャラクターになるというニュースは、すでに周防家の者に知られている。もしこの時点でイメージキャラクターになれなかったら、どう人に会えばいいのだろう?
蒼井真緒は唇を噛みながら、複雑な思いに駆られた。
「真緒!」
そのとき、一台の車が蒼井真緒の横に停まった。
蒼井真緒が振り返ると、運転席には須藤悠翔の姿があった。
「須藤兄貴」蒼井真緒は笑顔を浮かべた。
須藤悠翔は車を降り、助手席のドアを開けた。「どこに行くの?送っていくよ」
「ありがとうございます」蒼井真緒は助手席に身を滑り込ませた。