Uターンと連続カーブまでもう少しの距離だった。
そのため、レーサーたちは全力で追い抜こうとしていた。
6号車は野田浩二を追い抜いたが、すぐに野田浩二に抜き返され、6号車も負けじと頑張った。
他のレーサーたちも互いを追いかけ合っていた。
ただ蒼井華和だけは極めて落ち着いていた。
まるで買い物でもしているかのように、全く焦る様子がなかった。
「10号を選ばなければよかった!」
「目が見えなくなったのか!彼女はレースに来た人には見えない!これで最下位だ!」
「腹が立つ!彼女は暗馬で、宝物だと思って、特別に10万円賭けたのに、これじゃパンツまで失うことになる!」
「......」
「迷った末に3号を選んでよかった。勝つ確率は高そうだ。」
すぐにUターンの場所に到着した。
皆、暗黙の了解で速度を落とした。