117:手術の準備_3

車から一人の女の子が出てきたからだ。

とても綺麗だった。

少し可愛らしい。

そして少し......蒼井華和に似ていた。

「お父さん、お母さん」如月廷真は二人の前に歩み寄った。

「おじさん、おばさん」蒼井華和も続いて挨拶した。

早坂明慧はようやく気づき、目を見開いて蒼井華和を見つめた。「華和!どうしてあなたも来たの!」

如月廷真が言った。「僕が迎えに行ったんです」

蒼井華和は続けて言った。「事情は全て把握しています。おじさん、おばさん、ご心配なく。如月お爺ちゃんの病気は私にお任せください」

蒼井華和が如月大爺様の治療に来てくれることに、二人は当然とても喜んでいた。

でも蒼井華和はこの混乱に巻き込まれるべきではなかった。

如月志弘は如月廷真を見て言った。「廷真、華和を連れてくるべきではなかった」