最後の四文字が、地に響き渡った。
夢野空は気づかれないように眉をひそめた。
伴野智信はどうやって、鎮靜丸の製造者が別にいることを知ったのだろうか?
まさか......
何か聞いたのだろうか?
夢野空は微笑んで、「それなら、その人物が誰なのか聞いてみたいものですね」と言った。
蒼井華和だろうか?
それはありえない。
彼女でさえ研究に時間がかかるのに、獣医の弟子が鎮靜丸のような高度なものを作れるはずがない。
そう言って、夢野空は続けた。「別の人物がいるのなら、なぜその人は伴野若様と一緒に来なかったのでしょうか?」
明らかだった。
伴野智信は彼女を試していた。
しかし、彼女はそんなに簡単に騙されるような人間だろうか?
伴野智信が適当なことを言えば、すぐに信じるとでも?
まったくの妄想だ。