如月大爺様の体調は現在最悪で、病院も手の施しようがない状態だった。
如月志弘はあれこれ考えた末、やはり蒼井華和に来てもらうのが一番確実だと思った。
結局のところ、蒼井華和の医術は確かに優れているのだ。
もしかしたら蒼井華和に何か良い方法があるかもしれない。
今は僅かな希望でも、如月志弘は諦めたくなかった。
それを聞いて、早坂明慧は眉をひそめた。「考えは良いけど、華和が来ても、山本ゆきおと佳織は彼女を信用するかしら?」
蒼井華和はまだ18歳で、子供同然だ。
それに彼女の立場は微妙だ。
如月家の者たちが彼女を信用するはずがない。
早坂明慧は続けて言った。「一歩譲って、山本ゆきおと佳織が華和を信用して、お父様の治療を任せたとしても。でも、あなた考えたことある?お父様は高齢だし、手術中に何も起こらないなんて誰も保証できない。もし何か不測の事態が起きたら、華和にどう対処させるつもり?」