如月志邦は笑いながら言った。「お父さん、誤解されています……」
如月大爺様は失望した表情で手を振り、如月志邦の言葉を遮った。
そして、如月大爺様は続けて言った。「みんな出て行きなさい」
それを聞いて、一行は病室の外へ向かった。
如月大爺様は続けて声をかけた。「華和」
「如月お爺ちゃん、何かご用でしょうか?」蒼井華和は振り返って尋ねた。
如月大爺様は続けて言った。「お前は残りなさい」
「はい」蒼井華和は頷いた。
蒼井華和が如月大爺様に残されるのを見て、如月志邦と如月佳織は心中穏やかではなかった。
大爺様が蒼井華和を残したということは、きっと何か良いものを彼女にあげるつもりに違いない。
なぜだ!
蒼井華和はただの部外者じゃないか。
如月大爺様の持ち物はすべて如月家のものだ!