119:祖孫の対面_2

如月志邦は笑いながら言った。「お父さん、誤解されています……」

如月大爺様は失望した表情で手を振り、如月志邦の言葉を遮った。

そして、如月大爺様は続けて言った。「みんな出て行きなさい」

それを聞いて、一行は病室の外へ向かった。

如月大爺様は続けて声をかけた。「華和」

「如月お爺ちゃん、何かご用でしょうか?」蒼井華和は振り返って尋ねた。

如月大爺様は続けて言った。「お前は残りなさい」

「はい」蒼井華和は頷いた。

蒼井華和が如月大爺様に残されるのを見て、如月志邦と如月佳織は心中穏やかではなかった。

大爺様が蒼井華和を残したということは、きっと何か良いものを彼女にあげるつもりに違いない。

なぜだ!

蒼井華和はただの部外者じゃないか。

如月大爺様の持ち物はすべて如月家のものだ!

本当に不公平だ。

全員が出て行った後、病室には如月大爺様と蒼井華和だけが残された。

如月大爺様は蒼井華和を見つめた。

少し心が痛んだ。

この少女は大変だった。

幼い頃から両親がいないだけでなく、やっと養子に迎えられたのに、肝臓提供で人を救った後に見捨てられてしまった。

その後、ずっと田舎で育ってきた。

今回蒼井家に引き取られたのも、目的があってのことだった。

「華和、座りなさい」

「はい」蒼井華和は軽く頷き、ベッドの端に座った。

如月大爺様は続けて言った。「華和、私に何人の子供がいるか知っているかい?」

「三人ですか?」蒼井華和は答えた。

如月大爺様は首を振った。「実は四人なんだ」

ここまで言って、如月大爺様は一旦言葉を切り、続けて言った。「亡くなった子は本来三番目で、先天性の心臓病だった。あの時代は医療が発達していなくて、生後三ヶ月も経たないうちに亡くなってしまった」

過去を思い出し、如月大爺様は少し辛そうだった。

もしあの子が無事だったら、今は四十歳を過ぎているはずだ。

如月大爺様は蒼井華和を見て、続けて言った。「華和よ、お爺さんがこれらのことを話すのは、実は親でも全ての子供を無事に育てられるとは限らないということを伝えたかったんだ。だから、実の親を恨んではいけない。彼らにも何か止むを得ない事情があったのかもしれない」