127:蒼井大婆様は真実を発見、華和は紅音だった!_3

言い終わると、彼は付け加えた。「無料です。」

無料だと聞いて、須藤大婆様はようやく筆を受け取った。「何を書けばいいの?」

占い師は言った。「心に思うことを、そのまま書いてください。」

須藤大婆様は目を細めた。「本当に無料なの?」

「もちろんです。」

須藤大婆様は筆を持ち、赤い紙に一文字書いた。

天。

その文字を見て、占い師は続けた。「昔は天子として帝王を例えたので、'天'の字は庶民には相応しくありません。お姉さん、'天'の字から一画を取ると何になりますか?」

「大。」須藤大婆様は躊躇なく答えた。

それを聞いて、占い師は頷いた。「そうです。'天'から一画取ると'大'になります。古人は言いました。月は満ちれば欠け、水は満ちれば溢れる。これは、人は過度な自信や傲慢を持ってはいけないということです。お孫さんは確かに優秀な方ですが、同時に一つの道理を理解する必要があります。人の上に人あり、天外に天ありです。焦らず慎重であってこそ、生涯大切にする人に出会えるのです。本来なら、今日は良い縁があったはずですが、残念ながら、彼の過度な自信のせいで、この縁を逃してしまいました。」

この言葉は須藤大婆様の心に深く響いた。

須藤悠翔は何もかも良いのだが、ただ傲慢すぎるのだ。

そう言って、占い師は続けた。「もし彼が自分を見つめ直すことができず、相変わらず傲慢なままでいれば、いつか必ず自分の手で躓くことになるでしょう。」

「おっしゃる通りです」須藤大婆様は占い師を見つめ、声音まで柔らかくなった。「何か解決方法はありませんか?」

実は蒼井大婆様も心配で、須藤悠翔に何度も諭していた。

しかし須藤悠翔は全く聞く耳を持たなかった。

占い師は首を振った。「このような事は誰も助けることはできません。本人が気付くしかないのです。」

須藤大婆様はため息をついた。「ありがとうございます、原田さん。」

「どういたしまして。」

永明島。

須藤悠翔が電話を切るのを見て、林凛夜は興味深そうに尋ねた。「須藤お婆ちゃんからの電話でしたか?」

「ああ。」須藤悠翔は携帯をポケットに戻した。「気にするな、探し続けよう。」

「もう探す必要はないと思います。彼女に違いありません。」そう言って、林凛夜は画面を拡大した。

少女の手も徐々に拡大された。