蒼井紫苑は良い妹を演じ切っており、少しの綻びも見せなかった。
「いいわ」蒼井紫苑の思いやりに篠崎澪は感動を覚えた。
自分の手で育てた子供だけに、この数年間、蒼井紫苑は彼女を一度も失望させたことがなかった。
「そうそう」篠崎澪は続けて言った。「18日の妹の親族披露宴で、ドレスをオーダーメイドしようと思うんだけど、どんな色がいい?」
蒼井紫苑は篠崎澪の腕に寄り添い、自然に肩にもたれかかった。「お母さんが選んでくれるものなら何でも好きです」
篠崎澪は嬉しそうに笑った。
「お母さん、一日お疲れでしょう。肩をマッサージさせてください」蒼井紫苑は立ち上がり、篠崎澪の肩をマッサージし始めた。「以前はお姉さまのことで心配ばかりでしたけど、やっとゆっくり休めますね。明日、エステに行きませんか?」