彼女は真壁駿介の愛人として毎月十万円のお小遣いをもらっているだけなのに、もし真壁奥さんの座に就いたら、一年でどれだけのお小遣いがもらえるのかと想像もつかなかった!
考えただけでも華やかな未来が広がっていた。
「離婚はそう簡単じゃない」真壁駿介はため息をついた。
「何とかする方法を考えてよ!諺にもあるでしょう、鶏に嫁げば鶏に従い、犬に嫁げば犬に従う。あの女があなたに嫁いだなら、彼女のものはあなたのものでしょう?」ここまで言って、朝日奈涼香は続けた。「それに、彼女は本当にあなたを愛していないと思うわ。本当に愛しているなら、とっくに会社の株をあなたに譲渡しているはずよ!女にとって一番大切なことは何?」
「夫を支え、子を育てること!」
「西園寺雅乃は家で夫を支え、子育てに専念すべきよ。外で顔を出すなんて何のつもり?自分がどれだけ有能か見せびらかしたいの?一流大学院卒が専門学校卒に及ばないなんてことある?」
朝日奈涼香のこの言葉は、まさに真壁駿介の心に響いた。
西園寺雅乃との結婚生活これまで、雅乃は一度も彼を西園寺グループに入れようとする気配すら見せなかった。
そのせいで、周りの人々は彼のことを玉の輿に乗った軟派野郎だと嘲笑っていた。
家では雅乃にいびられ、外では人々の白い目に晒される。
それに雅乃の友人たちときたら、彼が雅乃と付き合い始めた時から、彼を見下してきた。
真壁駿介の表情の変化を見逃さなかった朝日奈涼香は続けた。「あなた、私が思うに、会社の全権を彼女から譲り受ける方法を考えるべきよ。私たちの息子が戻ってくるんでしょう?これからは彼女に家で子育てをさせればいいわ!どの女だって家で子育てするものでしょう!」
真壁駿介が西園寺グループの実権を握れば、その時は西園寺雅乃のような売女と離婚できる。
そう考えると、朝日奈涼香は口元に笑みを浮かべた。
真壁駿介は頷いた。
朝日奈涼香の言う通りだった。
女は家で子育てをすべきだ。
真壁駿介は続けて言った。「西園寺グループを手に入れたら、すぐにあの売女と離婚する!そして堂々とお前を迎えるんだ!」
「あなた、どんなに長くかかっても待ちます」朝日奈涼香は真壁駿介にキスをした。
二人はすぐにベッドに倒れ込んだ。
激しい情事に没頭した。
しばらくして、真壁駿介は爽快な気分で階下に降りた。