彼女は真壁駿介の愛人として毎月十万円のお小遣いをもらっているだけなのに、もし真壁奥さんの座に就いたら、一年でどれだけのお小遣いがもらえるのかと想像もつかなかった!
考えただけでも華やかな未来が広がっていた。
「離婚はそう簡単じゃない」真壁駿介はため息をついた。
「何とかする方法を考えてよ!諺にもあるでしょう、鶏に嫁げば鶏に従い、犬に嫁げば犬に従う。あの女があなたに嫁いだなら、彼女のものはあなたのものでしょう?」ここまで言って、朝日奈涼香は続けた。「それに、彼女は本当にあなたを愛していないと思うわ。本当に愛しているなら、とっくに会社の株をあなたに譲渡しているはずよ!女にとって一番大切なことは何?」
「夫を支え、子を育てること!」
「西園寺雅乃は家で夫を支え、子育てに専念すべきよ。外で顔を出すなんて何のつもり?自分がどれだけ有能か見せびらかしたいの?一流大学院卒が専門学校卒に及ばないなんてことある?」